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話は少し戻り...

中学校生活、
真っ只中だった頃。


友達との会話で、
1番盛り上がるのは、
“恋愛話”だった。

彼氏が欲しいだとか、
先輩のあの人がカッコイイだとか、
他校のあの人が好きだとか、、、

みんな、好きな人や
恋愛のことで頭がいっぱい。


私たちは1年生の頃から、
先輩達にキャーキャー言ってる、
よく映画に出てくるような
ミーハーな女子中学生だった。

そんな友達との時間は、
毎日が楽しかった。

恋愛モードいっぱいの、
よくある“青春時代”が始まっていた。


すでに、彼氏が居る友達も数名。

同級生と付き合っていたり、
先輩と付き合っていたり、
他校の人と付き合っていたり。

“一緒に学校から帰る”
なんて可愛い時代だったが、

みんな中学生ながらに、
立派に恋愛をしていた。


私にはずっと好きだった
1つ上の先輩が居た。

その恋は叶わなかったが、

その先輩のお陰で
毎日ドキドキな中学校生活を送れた。

私が3年生に上がると同時に、
その先輩は卒業。


先輩たちの卒業式には、
“学ランのボタンを貰う”ということが
イベントの用に行われていた。

ボタンが無くなり、
学ランまであげている先輩も多数。


私が好きだった先輩のボタンは、
“第二ボタン”だけが残っていた。

「あーあ、どうせあれは
好きな人の為に残してるんだろうな。
私もボタン欲しかったなー。」
なんて友達に嘆いていると、

その先輩が私の目の前に...


「付き合うことが出来なくてごめんね。
これはえりかちゃんにあげようと思ってた。
貰ってくれる?」

と言って、

私の気持ちを
知ってくれていた先輩は、

“第二ボタン”を
私の為に残しててくれて、
最後にプレゼントしてくれた。


そんな感動的で
ずっと忘れられない私の失恋。


そんな私は、
中学3年生へと上がり、

心にポッカリ穴が空いていた。


「あー私も彼氏が欲しい!」
「誰か紹介してよー!」

なんて友達と
毎日ブツブツ嘆いていた。


「よし!分かった!
じゃあ、他の中学の友達に
誰か紹介してもらおう!
えりかも行くよ!」

と言われ、
部活が休みの日には
放課後になると、

友達に連れられて、
みんなで他の中学校の区域まで
遊びに行ったりしていた。


そんな日々を送っていると、
私にも彼氏ができた。


でも結局は、
「彼氏が欲しい」「かっこいい」
という理由で付き合っただけ。

そんな気持ちで、
交際が続く訳がない。


その後も、
2人とお付き合いをしたが、
2~3ヶ月でお別れ。


1つ年上の高校生と
お付き合いをしたこともあった。

とても大人な雰囲気で
イケメンで優しい人だった。

お互い、放課後は
部活で忙しかったので、

毎日登校前に待ち合わせをして、
朝デートなんてして楽しんだり、

休日はカラオケデートなんてして、
真剣に付き合っていたのだが、

結局、ちゃんと好きになれず...


「もう私はあの先輩以外、
好きになれないのかもしれない。」

まだ子供だった私は、
真剣にそう悩んでいた。


それでも、
“彼氏”という存在が欲しかった私。

今考えると、
「彼氏欲しいよねー!」
「〇〇はラブラブで良いよねー!」
なんて言う友達との時間を
存分に楽しんでいたのだと思う。


みんな受験モードになっている頃、

「同じ塾の友達から、
そこの男子のプリクラを
大量に貰って来たよー!」

1人の友達が、
朝教室に入るなり、
みんなを集めた。

みんなで
ワーワーキャーキャー言いながら、
それに群がる私たち。


「この人カッコイイ!」
「えーこっちの方がカッコイイよ!」
「あ、この人知ってるー!」

なんていう会話が飛び交う中、

私は、アップで写っていた
1人の男子に目が行った。


「私はこの人がカッコイイと思う!」

そう指差した先に写っていた人。

それが夫だった。


私が初めて、
夫の存在を知った瞬間だった。


つづく。