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【10月31日】

この日は、仕事を早退して、
夕方に病院へ行く予定。

まだ術後で会えないだろうから、
看護師さんに荷物を渡すだけですが、

早く行きたくて、
朝から仕事を
急いで終わらせていました。

その間も、
旦那とのLINEでのやりとりは
続いていました。



すると14時頃、
病院からの電話。


ビックリして慌てて出ました。

あの急変以降、
病院からの電話はトラウマのように
怖く感じるようになっていました。


電話は、
脳外科主治医のE先生から。

血液検査をしたのですが、
貧血状態になっていることが分かりました。

今から輸血で血を足す治療をしてきます。
同意して頂けますか?



旦那とのLINEは続いていたので、
私はちょっとビックリして、

体調悪いんですか?」と聞くと...


先生:「いや、本人の体調には
なにも変わりはないので、
今のところ心配はありません。

恐らく、
緊急手術をしたときに出血した分で
血が足りなくなってる状態だと思うので、

ますは輸血をして様子をみます。



私:「分かりました。
よろしくお願いします。
輸血をすれば良くなるんですか?


先生:「私たちの予想通りなら良くなります。

しかし、もし輸血をしても良くならない場合は、
また頭の中で出血してる可能性が出てきます。

その時はまた詳しく調べて、
手術等での処置にはなってくるのですが、

出血してるときに出る症状などは、
今は何にも出ていない状態なので、
恐らく輸血をすれば大丈夫ですよ。


そんな説明を受けたので、
また私は心配に...


私:「あの、今日は後から
着替えと飲み物を届けに、
そちらに向かう予定なんですけど、
少しでも面会はできないんですよね?


ダメ元で聞いてみました。

先生:「申し訳ありませんが、
面会はできません。すいません。


ですよね~。笑
分かっていたことでしたが、
やっぱり残念でした。



先生:「他に何かありませんか?

私は、旦那の記憶について聞いてみました。


手術直前からのこと...
2回目の手術したこと...
手術が終わって家族と話しをしたこと...
この全ての記憶がないこと。

術後に、手術や目に関して、
私が答えたことを覚えてなくて
同じ質問をしてくること。

日用品やバックの場所など、
何回答えても、数時間後には
同じ質問をしてくること。


状況を説明して、
先生に聞いてみました。

先生:「そうなんですね。
でも、まだ術後3日目なので、
それは様子をみて大丈夫だと思います。

2回も全身麻酔をしたので、
通常に戻るには少し時間が
かかってるだけだと思います。
徐々にハッキリしてくると思いますよ。


先生からの言葉に少し安心しつつも、
私の不安は正直取りきれませんでした。


輸血をお願いして、
電話を切り、

私も仕事を終えて、
持って行く荷物の準備。

15時頃に出発。


先生から連絡があったこと、
今から輸血をすること、
私からも旦那に説明しておきました。

先生も同じように説明してくれたみたいで、
「さっき奥さんに電話しました。
って先生が言ってたよー!」とのことでした。

このことすらも、
夜には忘れることになるとは...



旦那の輸血は、
16時に始まりました。

でも、普通の点滴のように
病室のベットで行われたので、

スマホも触れて連絡も取れる状況で、
安心できたことを覚えています。


ただ、旦那は...
記憶が混乱していること、
頭の傷口を見たこと、
片目が開かず見えないこと、
そして輸血。

色んな状況が重なったことで、
精神的に少し不安定になっていました。


なんで俺なんだろ。

こんなに頭切られて、
2回手術しても何も良くなってない。
結局なんの手術したんだろ。


私が向かってる中、
こんなLINEが来るように...


目が覚めて起きたら誰も居なかった。
何も覚えてなくて。1人で不安だった。


入院してたことは分かってたけど、
気付いたら俺の頭は包帯だらけで、
ベットに手足固定されてて...

体中から管や線が出ていて、
場所も記憶と変わってたから、
どこの病院に居るのかも分からない、
自分に何が起きたのかが分からなくて。

キョロキョロしたけど、
えりかも誰も居ないし...



旦那が感じていた不安や恐怖。
私はこの時に初めて聞きました。


分かったつもりでいたけど、

私は結局、何にも
分かってあげられてなかった...

そんな自分にショックを受けました。


そして、そんな状況で、
どんなに怖くて不安だったんだろうと、
旦那の気持ちを想像すると
涙が止まらなくなり...

なんて言ってあげたらいいのかが
分からなくなり、

旦那のことを思うと
本当に苦しかった。



病院に向かう途中で、
私はまだ運転中だったので、
あまりLINEを返すことが出来ず。


すると、旦那からは、、、

本当はめちゃくちゃショックだけど、
仕方ないってのも分かってるし、
受け入れなきゃいけない。


ごめんね。

旦那は1人で、
ちゃんと受け入れて
必死に前を向こうとしていました。

何もしてあげられてない自分に、
本当に腹が立ちました。


18時頃に、病院に到着。

旦那からのLINEも
運転中ずっと気になっていたので、

私は荷物を渡す前に、
談話室に寄り、

旦那への手紙を。

荷物に手紙も一緒に入れて、
看護師さんに渡しました。


今、看護師さんに荷物渡したからね。

そうLINEすると、

この点滴さえ繋がってなければ、
どうにかして会いに行くのに!!!


近くまで行きたいだけなのに!
えりかに会いたいだけなのに!


絵文字いっぱいの
明るい旦那に戻っていました。


旦那:「輸血してる時間じゃなければ...
タイミング悪かったよー!


私:「いや、点滴してなくても、
まだオシッコの管とかも繋がってるでしょ。


旦那:「くそー!そうだったー!
俺をこんなにもベットに繋ぎやがってー!


私:「全部外れて歩けるようになったら、
またすぐに飛んでくるからねー!


旦那:「よーし!リハビリ頑張って、
早く全部外してやる!!!



さっきまでの、気持ちが
沈んでいた旦那とは全然違って、
急に明るくなった旦那。

会えなくても、
近くに来るだけで、
こんなに元気になってくれるんだ...


それを実感した私は、
旦那が少しでも元気になれるなら、
出来る限り来ようと決めました。

今の私にできることは、
それくらいしかないし、
旦那の為になることは全てやりたい。

改めてそう思いました。


夜9時頃、
ようやく輸血は終わったものの、
点滴はまだ繋がれたままでした。


旦那が輸血に対して
先生に聞きたがっていたことに、

私が先生からの電話で
言われたことを説明すると...


旦那:「なんでえりかが知ってるの?

私:「今日、輸血の前に
先生からの電話で言われたよー!


旦那:「え?先生から電話あったの?

私:「あったよー!先生からも
奥さんに電話したって聞いたでしょ?
そのこと覚えてない?


旦那:「覚えてない。


私は、やっぱりまだ記憶が
不安定だなー...と感じ、

その時のLINEの
やりとりのスクショを送りました。


私:「この時のLINE覚えてない?

旦那:「え、覚えてない。
俺こんなこと送ってたっけ?



違う部分のスクショを送ってみると、

旦那:「んーこれは覚えてるような
覚えてないような...
ハッキリは思い出せないなぁ。



今日の昼間のことも、
旦那があまり覚えていない状況に、

不安になって焦る自分と...
大丈夫。先生の言葉を信じよう。
と落ち着かせる自分が居ました。


また混乱させたくなかったので、

旦那から何度同じ質問をされても、
私は何度でも同じように答えようと決めました。


つづく。